2003年、特定非営利法人岩手未来機構の前身であるセラピストたちの任意団体「アイアム」の活動がスタートしました。
岩手県や東北各地で自殺や引きこもり防止活動をはじめ、様々な講演・講座・イベントなどの活動を行い、2011年の東日本大震災以降は、被災地への物資支援や被災された方々の声に耳を傾ける地道な活動の他に、被災地を支援しようと訪れた国内外のアーティストたちの活動のサポートなどを行なってまいりました。
そうしたことが縁になり、彼らの展覧会を開催するなど活動の幅が広がり、2014年3月、特定非営利法人岩手未来機構を設立することになりました。
現在、大正時代に盛岡市内に建てられた趣のある民家を改築した事務所を拠点に、岩手県や盛岡市のご支援を賜りながら、展示施設や商業施設、老舗倉庫、寺院などと協働し、国内外のアーティストらによる美術展覧会やワークショップ、講演会、演奏会活動などを開催しております。
アートには素晴らしい力が具わっています。一言で言うと、例えば、一枚の絵を見る人と作品とその向こうにいるアーティスとの間で交感が始まり、いつの間にか見る人を「今ここではない別の世界へと誘う」ことにあるでしょう。その世界は必ずしも心地良いもの幸福を感じるものとは限りませんが、アーティストは鋭い臭覚と感覚で自身が属する時代や社会の中で何かを問題とし、その問題に対する行為や姿勢を形あるものとして生み出しています。アートは、それが生みだされた社会や時代と共にあるというライブ性を体験することができる場でもあるのです。
岩手未来機構は、アートが具える力とその素晴らしさを大切にし、関係各位のご支援ご協力を賜りながら、持続可能な創造事業や創造経済の発展と夢の持てる豊かな文化のある地域作りに貢献してまいりたいと考えております。
2021年10月
特定非営利活動法人岩手未来機構理事長 大 野 正 勝